上手な家賃の設定方法

賃貸住宅には、家賃の他に管理費(共益費)を徴収するケースがありますが、分譲賃貸マンションの場合は、家賃や管理費をどのように設定すればよいのでしょうか?

まずは家賃についての考え方です。一般的なスーパーの商品は、消費者に割安感を与えるために198円や980円といった大台を下回る値段設定をしておりますが、家賃も同じ考え方です。そしてお部屋を探している方は、インターネットの物件検索サイトの条件絞込みの際は、家賃を10万円以下や20万円以下という条件で検 索するため、家賃9万8千円と10万2千円では金額以上に大きな差が出てきます。

次は管理費です。原則、管理費の設定にはルールがありませんので、自由に設定することができます。例えば、相場家賃が21万円の場合、家賃19万8千円、管理費1万2千円というように、管理費にいくらか振り分けて設定すれば、同じ21万円でも家賃が20万円以下となり、家賃20万円以下で検索した方にもヒットします。

しかし上記の方法には、いくつかの留意点があります。1つ目は、検索サイトの条件絞込みの際、「家賃に管理費を含む」という項目にチェックを入れられると、合計21万円の物件はヒットしません。2つ目は、仮に相場家賃が18万円だった場合、家賃15万円、管理費3万円となりますので、管理費が極端に高額となり、逆にお部屋を探されている方には敬遠されてしまいます。また過去の判例となりますが、高額な管理費を設定したお部屋の借主が、「高額な管理費に見合ったサービスを受けていない。」という訴えに対し、貸主側が敗訴していますので、管理費設定の上限金額は、実際にマンション全体を管理している管理会社に毎月支払っている管理費額を上限として設定した方が良いでしょう。

最後の留意点は、敷金や更新料は一般的に家賃に対して〇ヶ月分という設定になりますので、管理費に振り分けた分、敷金や更新料で受領する金額が減ります。これは大きな問題とはなりませんが、若干の収入減となることは覚えておきましょう。以上のことから、家賃と管理費の設定は、相場家賃によって大台切りを意識しながら設定するのがお奨めです。