大規模修繕工事の影響

これは10年以上前の札幌の分譲賃貸マンションでのトラブルです。札幌という北国の住環境では、住宅にエアコンが付いている方が珍しく、この度のトラブルも一見不思議な出来事ではなかった。

数年前の猛暑の夏に分譲賃貸マンションに入居されたばかりの入居者(老夫婦)から、「マンションの大規模修繕の為、外には足場が組まれ、マンション全体がネットで覆われている。そのため窓も開けることができず、部屋の中がサウナのように暑い。」という連絡が入る。当然、この分譲賃貸マンションのお部屋には、エアコンは設置されておらず、入居者もエアコンなど必要ないだろうと思い、エアコンの無いまま入居しました。続いて入居者より「契約時に大規模修繕工事があるということは聞いていない。このような工事が予定されていたのであれば、契約はしなかった。」と連絡が入る。

当時の分譲賃貸マンションの取引きにおいて、契約前に大規模修繕工事の有無を確認する習慣は無かった。しかしそれまで住んでいたオーナー様は、当然その工事の詳細を知っていたのである。窓を開けることができないことはもちろん、バルコニーには作業員が出入りし、工事による騒音も予想できる。入居者からすれば、あまりにも予想外の出来事だったためか、すぐにでも引っ越ししたいと言う。扇風機を設置することや工事期間中の賃料を下げる提案もしましたが、結局は大規模工事期間中に退去することになりました。

現在のマンション専門プラザでは、分譲賃貸マンションの管理のご依頼を受ける際は、オーナー様と分譲マンションの管理会社双方へ大規模修繕工事の予定を事前に確認しております。