雨漏り

雨漏りが発生した場合、外部からの水の進入箇所を特定してピンポイントに補修する必要があります。水は高いところから低いところへ流れますが、僅かな勾配でも低い箇所に水は流れるため、実際に水が露出した場所が意外と進入箇所から遠いこともあります。水の進入箇所の特定は、水が露出した場所から水の流れた跡を遡って進入箇所を特定しますが、進入箇所を特定するのはプロの方でも難しいとされています。

木造の住宅であれば、天井裏や屋根裏に潜り込んだり、天井や壁の一部を開口して直接水の流れた跡を確認したりできますが、鉄筋のマンションの場合は、天井裏や屋根裏に潜り込めないケースが多く、また隣接する他の住居など、数世帯を巻き込んで壁や天井を開口して水の流れを追跡することは、容易にできることではありません。今回のトラブルは、実際に分譲マンションで雨漏りが発生した時の残念なエピソードをご紹介いたします。

以前、雨漏りが発生したため、その雨漏りを修理したという分譲マンションのお部屋の賃貸管理を、マンション専門プラザが受けることになりました。雨漏りの修理は、管理組合が委託している某大手管理会社の方で修理しておりました。

間もなく借主が見つかり、念のため借主には「過去に雨漏りがあったが修復済み」ということを伝えてから賃貸借契約を締結しました。しかし入居してからわずか数ヶ月でまた雨漏りが発生したのです。原因は、前回修理した箇所以外からも水が浸入していたためです。外壁タイルの目地やバルコニー・窓サッシなどのコーキングを目視で確認して、水の進入箇所を予想して修理していたようですが、全てを防ぎきれていなかったようです。

雨漏りを修理した某大手管理会社の方は、「マンションの雨漏りの修理は、まずは水の進入箇所を予想して1つ1つ原因箇所を潰していくしかない。」と言われていましたが、その後わずかな期間で修理⇒雨漏り⇒修理⇒雨漏りが続きました。雨漏りはリビングの天井のど真ん中から発生するため、さすがに賃貸の入居者も通常の生活ができないということ、また某大手管理会社の信じられないような怠慢な対応も重なり、トラブルは大きくなるばかりでした。結果、当初よりオーナー様(区分所有者)が要求していた大規模な調査が行われ、ようやく水の進入箇所を特定して修復が行われました。

確かに最初から大規模な調査・修繕が難しいのは理解していましたが、当初よりオーナー様自身でも某大手管理会社及び管理組合を相手に積極的に働きかけ、その甲斐あって解決したというトラブルでした。しかし、対応に当たった某大手管理会社の怠慢な態度には、大変残念でなりません。詳細な説明は控えますが、対応していくにあたり、次々と上席の方が出てくるのは良いのですが、全員が被害者意識をあまり理解せず、大手ならではの対応の遅さに加えて、自分の会社が一番という精神を貫き、何をするにも「社内のルールです」の一点張りでは、会社の体質・風土自体に大きな問題があるのでしょう。