入居者審査の内容

不動産賃貸経営において、賃借人の入居者審査はとても重要な業務です。賃借人の素性や属性、家賃滞納や契約違反(無断改造、無断転貸、用途違反等)に対するリスク調査等、様々な項目を審査します。近年の賃貸取引においては、賃借人が支払う家賃や原状回復費用等の金銭債務に対しては、賃貸保証会社(金銭債務を請け負う法人)の利用を必須条件とすることが一般的となってきており、入居者審査も簡素化されてきました。

しかし入居者審査において難しいのは、金銭債務以外の審査です。特に賃借人の素性は調べようも無く、毎回全てを調査・審査することはできません。そのためマンション専門プラザでは、金銭債務以外の審査につきましては、業界の慣習や今までの経験から、次の審査項目を重視して入居者審査を行っております。

〇賃貸(引越し)理由

引越し理由から、様々なことが分かります。例えば「転勤」が理由であれば、2~3年後には退去することが予想され、「自宅の売却処分」が理由であれば、お金に困って自宅を売却した可能性もあり、金銭債務をより詳しく調査します。ここで一番気を付けなければならない理由は、明確な引越し理由が無い場合です。この場合、居住用の室内を事務所や民泊施設として利用されたり、別な人間を住まわせたりと、トラブルの原因を招くことになります。また最悪のケースでは、犯罪組織のアジトに使用された場合、警察沙汰となってしまいます。

〇家族構成

婚約予定のカップルや兄弟・姉妹の同居の場合、注意が必要です。特にカップルの場合は、入居後に分かれてしまうこともあり、片方が退去して、一人では家賃が払えなくなるというケースが多くあります。その他、同居されるお子様の年齢も重視します。入学・進学等ですぐに引越しされるかもしれないというリスクを事前に把握できる他、家庭内の大きな出費時期も確認できます。弊社では、友人同士の同居となるルームシェアは、トラブルの元となるため禁止しております。

〇交渉事の内容

賃貸借契約締結前に賃借人より色々な交渉事が入る場合は、その交渉事の内容により契約をお断りする場合があります。この種の賃借人は、クレーマーとなる可能性が高く、特に家賃や礼金の高額な値交渉は、家賃滞納の可能性を高めます。

審査項目は多岐に及びますが、以上の3項目からは、書類や属性だけでは判断できない賃借人の色々な素性が見えてくることがあります。入口でどれだけリスクを回避できるかは、不動産賃貸経営の経験や実績が重要と言えるでしょう。