数年前から一度に数社の不動産会社へ家賃の査定を依頼できる「一括家賃査定サイト」が流行り、今では同じようなサイトが十数件あります。マンション専門プラザも4社のサイトと契約しており、毎日のように家賃査定の依頼が来ております。依頼者も手軽に複数社の不動産会社へ査定の依頼ができるため、一見とても便利なサイトに思われます。
しかし残念なことに、その殆どのサイトのタイトルには「一番高く貸せる不動産会社を選べる」というような謳い文句が表示されており、査定家賃の金額比較がメインとなってしまっております。これは本来の趣旨とはかけ離れており、利用者の利益に反する客引きセールスキャッチであります。
そもそも家賃を査定する際は、同じマンションや近隣の類似マンションの過去の成約事例、市場の需給バランス、希少価値、グレードなどを色々と比較しながら、該当のお部屋の家賃を算出しますので、本来、どの不動産会社が査定しても大きな金額差が出ることはありません。そして一番のポイントは、高い家賃で査定してくれた不動産会社が高く貸せるのではないということです。どこの不動産会社でも、ポータルサイトやHP、同業他社などへ物件情報を公開するなどして借り手を捜索しますので、不動産会社間には借り手を見つける力に大きな差はありません。そして市場には家賃の相場があり、借り手もあらゆる情報を入手して物件を比較検討しますので、相場より高ければ借り手からは選ばれないという時代でもあります。
よって分譲マンションを貸すときの不動産会社の比較とは、「高く貸せるかどうか」ではなく、不動産管理業務の内容・質、管理手数料、実績、担当者のイメージ、会社の姿勢などを重視して比較するべきなのです。仮に高い家賃で貸せたとしても、高額の管理手数料を支払う、サービスの質が悪く貸主に煩わしい手間が掛かる、担当者の対応が悪い、何度もいやな思いをする、挙句の果てには入居者も早期に退去してしまっては、全く意味の無いことでしょう。
明らかに相場より高い家賃を提示する不動産会社は、貸主の利益を無視してでも強引に依頼を受けようとする意図も窺えますので、お気を付け下さい。
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