禁煙物件の需要

分譲賃貸コラム「入居者の募集条件」で、賃貸物件の室内及びその敷地内においてタバコの喫煙を禁止すると入居者を限定してしまい、入居者を募集する上ではマイナス要因となり得る、というご説明を致しましたが、一方ではこんな話もあります。

最近では、分譲賃貸マンションだけに関わらず、一般の賃貸マンションやアパートでも禁煙を条件とし、入居者を募集する物件が増えてきています。また弊社で賃貸管理を行っている分譲賃貸マンションのお部屋でも、実に3割以上のお部屋が禁煙を条件として賃貸しております。禁煙という入居条件の賃貸物件が増えてきたこと、また喫煙率自体が低下していること、タバコの値段が上がり続けていること、そして非喫煙者にとっては逆に禁煙という条件のお部屋を好むことなどから、最近では禁煙を条件としているお部屋の成約率も上がってきております。一方、非喫煙者が入居される場合、家賃を2,000円下げて入居していただいているという賃貸物件もあると言います。

一昔前、一般的なタバコのヤニの原状回復は、貸主が負担するものとして扱われておりましたが、最近では借主が原状回復の負担をすることになっております。そのためタバコを喫煙する入居者は、キッチンの換気扇下やバルコニーで喫煙する方も増えているようです。

入居者を募集する際に禁煙を条件とした時には、喫煙率の高い日本では、まだマイナス要因となる可能性もありますが、近年のタバコを巡る時代背景や賃貸取引でのトラブルを考えると、これからはマイナス要因ではなくなる時代が訪れるのでしょう。