無断ペット飼育

今回も、賃貸入居者の退去後の立会いで発覚したトラブルです。

今まで住んでいた賃貸の入居者が先に部屋に来ていたようで、引っ越し後、お部屋も綺麗に掃除をしてくれていました。季節が夏だったこともあり、私が入室した時には室内の窓が全て開いている状態でしたが、特に鼻が利くわけではない私でも、退去後の室内に入った瞬間から、なんとなくアンモニア臭を感じていました。

ペット飼育禁止で賃貸していたため、無断でペットを飼育していれば契約違反となり、原状回復の考え方も変えなければなりません。そのためお部屋を隅々まで確認しましたが、ペットを飼育していたような形跡はなく、入居者へ確認する前の最終手段に出ました。ペットは種類にもよりますが、必ず毛が抜けます。そのため、室内の床の隅には、綺麗に掃除したとしても凝視しなければ分からないような小さな毛が残っていることがあります。その時は、床や収納の隅々から動物の毛を採取するために、セロハンテープでペタペタとやり続けました。すると人間の毛とは違う白くて短い毛が数本採取でき、また自分の靴下の裏側からも同じ毛を採取しました。

この動かぬ証拠を突きつけてから入居者へペット飼育の確認をしたところ、「昔、2~3日だけ猫を預かったことがある。」という返答でした。しかしどう考えても2~3日の臭いではないと感じたため、室内の窓を全て締め切り10分程待ってみました。すると1部屋だけ強烈にアンモニア臭を感じたため、床や壁に鼻をつけ確認する。やはり2~3日の臭いではないと確信したため、もう一度入居者へ聞くと、最近まで猫を飼っていたことを自供した。ペット飼育の調査は犯罪捜査ではないため、本来はここまで調査したくなかったことを説明しながらも、その後入居者に対しては毅然とした態度で原状回復についての交渉を進めた。

マンション専門プラザの賃貸借契約書では、ペット飼育禁止の場合、「ペット飼育及び一時的な預かりも禁止」と謳っております。結局、2~3日だけ預かったことを自供した段階で契約違反も確定しますが、それでは十分な原状回復の交渉ができないと感じたため、今回は真実の追究を最後までやり切りました。その結果、貸主にとっては十分な原状回復費用の負担を請求することができました。