現代の車社会では、一家に2台の車を所有されているご家庭も多いことでしょう。しかしながら分譲マンションにおいては、その世帯数分の駐車スペースが確保されていないマンションが多いため、マンションを借りようとしたが駐車場が無いという理由でそのマンションを見送った経験があるという方も多いことでしょう。そこで、分譲マンションを貸そうとする時、駐車場の有無が賃貸取引にどの程度影響するものなのかを説明いたします。
基本的な考えでは、駐車場は「ない」より「ある」方が良いのは当然の話です。殆どの分譲マンションの規則では、マンション内の駐車場を使用していた居住者が引っ越しによって駐車場を解約すると、その駐車場の使用権は一度管理組合に返還しなければならず、引っ越し後も使用権を所持し続けることは困難となります。よって、駐車場が空くのを待っている他の居住者がいれば、その居住者が優先的に駐車場の使用権を得ることになります。この場合、分譲賃貸マンションとして入居者を募集する時には、駐車場は「ない」という状態になってしまいます。
東京都のデータを見ると、一世帯あたりの自家用車所有割合が約46%となり、二世帯に1台弱の割合で自家用車を所有していることになります。これを千葉県のデータと比較してみると、一世帯あたりの自家用車所有割合がちょうど100%となり、一家に1台の割合で自家用車を所有していることになります。東京都内では、発達している鉄道・地下鉄などの交通機関を利用して移動する方が多く、また駐車場料金も高額なため、自家用車の所有率が低いと考えられます。このようなことから大雑把な分析となりますが、繁華街に建つマンションよりも郊外の方がマンションの方が駐車場のニーズが高いと言えるでしょう。
駐車場を確保できない分譲賃貸マンションの場合、マンションが交通便の良い繁華街に建っている場合には家賃への影響は少なく、マンションが郊外に建っている場合で、近隣に月極駐車場などもない場合には、家賃に大きな影響を及ぼします。
しかし最近では、ガソリンの高騰や料金の安いレンタカー会社の出現、カーシェアリングの普及などに伴い、若い世代の車離れが加速しているそうです。今後、自家用車の所有率が低下した場合、駐車場と家賃の関係も変わってくるでしょう。
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