雨漏りのトラブルの次は、水漏れのトラブルを紹介します。似たようなトラブルかと思いますが、全く内容の違うトラブルです。これはマンション専門プラザで賃貸管理をしているお部屋の水道管から水が漏れ、下の階を水浸しにしてしまったというトラブルです。
キッチンへ水を供給する水道管が床の下を通ってキッチンに接続されており、その床の下を走る水道管の減圧弁の老朽化により、減圧弁から水が漏っておりました。減圧弁の老朽化のため、常時水が漏っていたのではなく、キッチンで水を出している時のみ水が漏っていたようです。当然、床の下で起きているトラブルのため、その部屋に住んでいた賃貸の入居者もその異変に気づくことはなく、下の階の方から通報でトラブルが発覚しました。今回のトラブルは誰に責任があるのか、そして誰が水道管の修理費と下階の補修費を負担しなければならないのかが重要な問題となります。
まずは水漏れの責任は誰にあるのかですが、賃貸の入居者には「善管注意義務(善良なる管理者としての注意義務)」があります。簡単に説明しますと、賃貸の入居者には自分の物と同等という意識でお部屋を使用しなければならないという注意義務があります。今回の水漏れが露出している箇所(簡単に目視できる配管や弁)で発生したものであれば、水が漏れていることを確認できたにもかかわらず何ら処置をしなかったということで、入居者に責任があるとされます。しかし今回は水の漏れた箇所が床下であるため、容易に水漏れを確認できない箇所のため、賃貸の入居者には責任がありません。次に水の漏れた箇所が専有管か共用管かで、責任の所在を判断します。共用管であれば、通常管理組合が加入している損害保険などで対応しますが、今回は床の下とは言え、水漏れ箇所は専有管となるため、区分所有者である貸主に責任があるものと判断されます。よって、賃貸住戸と下の階のお部屋の修復は、共に区分所有者兼貸主であるオーナー様に責任があり、オーナー様が費用負担をすることとなります。
実際は貸主も損害保険に入っていたため、賃貸住戸の水道管の補修費用は保険で対応できました。しかしその損害保険には、第三者への損害賠償責任に関する特約が付保されていなかったため、下の階の補修費用は全額オーナー様が自腹で負担することになりました。
弊社では、部屋の設備故障が原因による第三者への損害賠償責任が発生した時のために、保険金額1億円まで支払われる施設賠償責任保険のご加入をお奨めしております。一般的には最低保険料が年間3,000円の損害保険ですが、弊社が保険契約者となり、各オーナー様からお部屋の広さによって保険料を負担していただいておりますので、数百円のご負担で同じ補償を受けることができます。
オーナー業とは、万が一のトラブルにも対応できるよう、リスクマネージメントも重要な業の一つとなります。
Facebookでシェアする