マンプラの愉快な仲間たち

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不動産業界の「囲い込み」にメス

一般的な不動産取引には、売買・賃貸があり、特に売買取引において、不動産業界では昔から「囲い込み」という悪しき習慣がありました。「囲い込み」を簡単に説明しますと、売主から専任媒介で売却の依頼を受けた場合、業者は宅建業法上、その物件情報を開示して、広い範囲で買主を捜索しなければならないところを、自社で買主を見つけるまで、物件情報を他に開示しないという行為です。なぜ物件情報を開示せず囲い込むかというと、仲介手数料の問題です。

一般的な不動産取引の仲介手数料は、売買契約が成立すると、売主から物件価格の3%+6万円、買主から物件価格の3%+6万円が各担当業者へ支払われます。これを業界用語では「片手」と言います。ということは、売主の担当業者が買主を捜索すると、売主・買主の双方から仲介手数料がもらえるため、1つの取引きで6%+12万円がもらえます。これを業界用語では「両手」と言います。

両手取引は同じ1つの取引きで仲介手数料が2倍となるため、売主から売却の依頼を受けた業者は、自分で買主を捜索しようとします。そこで宅建業法上、売主・買主の利益を守るため、指定登録機関へ物件情報を登録して、幅広く広告活動を行うよう、規定が設けられていました。

しかし実態としては、売主側の担当業者は、指定登録機関に登録しなかったり、申込みが入っていないのに「申込みが入ってます」と噓を言って他社からの問い合わせを断ったりしている業者が数多く存在していました。私の印象では、特に大手不動産会社にそれが多く、弊社に物件捜索を依頼してくれたお客様へ物件をご紹介できないというケースが多々ありました。ようやく、この不動産業界の悪しき習慣に国交省が動き、2025年度から規制が定められることになりました。正直、国交省も見て見ないふりをして、動きが遅すぎますが…。

通常、十数万社の不動産業者間に情報が流通して買主を捜索するはずが、悪徳業者に囲い込みをされると、売主が依頼した業者、その1社でしか買主の捜索がされないため、十数万社VS悪徳業者1社では、明らかに売主の利益が蝕まれている状況でした。

改正法や新法に対しては、いつも抜け道を探す者が現れます。ようやく国交省が重い腰を上げ、テコ入れするのであれば、大手・中小の会社規模に関わらず、徹底的に取り締まってもらいたいと願っております。

マンプラ 近藤

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