以前の分譲賃貸コラムで、専有管から水漏れが発生し、その専有管を交換しようとしたところ、専有管と繋がる共用管も古いため、専有管交換の際に共用管にもダメージを与える可能性があるため修繕ができないというトラブルを紹介しました。今回のトラブルは、同じように修繕のできない排水管パート2として、最近のトラブル事例を2つ後紹介します。
〇配管が躯体を貫通
築40年以上経過する分譲マンション。賃貸するにあたり、水回りを含めた大掛かりなリフォームを検討していたが、お部屋の配水管を調べたところ、給水管が天井の梁を貫通して室内に引き込んでいることが発覚する。現代の常識では考えられない施工方法ですが、当時は将来の配管交換を全く考慮せずに施工したものでしょう。
配水管を交換するには梁を一部解体しなければならないため、工事期間中は上階の方に仮住まいをしていただかなければなりません。また躯体の解体は、管理組合の許可が必要となるため、リフォームの計画は全く現実化しません。結局、大掛かりなリフォームは諦め、管理組合による大規模修繕工事に合わせてリフォームを検討することになりました。しかし大規模修繕工事までに水漏れが発生したら、どのように対処しようかとハラハラしています。
〇集中冷暖房の水漏れ
築50年近い大型の分譲マンション。上階から暖房水の水漏れが発生したため、業者へ調査と修理を依頼したところ、床下点検口にある暖房水のバルブが劣化していることが判明。そこでバルブを交換しようとしたが、バルブ交換を行うには一度循環水を止めなければなりません。
しかしこのマンションは、各階に循環水の供給を制御するバルブが設置されておらず、そのため一時的に全戸の循環を止めて作業しなければならないという。一時的とはいえ、真冬に全戸の集中冷暖房を止めることはできないということで、冷暖房切替時期まで修理ができない状態に陥りました。
マンションの老朽化が進んでいる現代においては、この手のトラブルが増えてきております。近い将来、多数の管理組合が抱えるであろうマンションの修繕問題。今後のマンション選びは、新築施工時から将来の修繕方法がしっかりと計画されているマンションを選ぶべきでしょう。
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